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メディア ユニバーサル デザイン(MUD)について
メディアユニバーサルデザイン(Media Universal Design)の「ユニバーサル ( Universal )」という言葉は、万人の・すべての人のという意味です。
MUDとは、健常者だけでなく、高齢者・色覚障がいのある方・外国出身の方・子供などにも、正確に情報が伝わるように配慮された手法のことです。
MUDの5原則
見えない・読めないなど、情報の入手を妨げる要因を取り除く工夫
より快適・便利に使える工夫
内容がより理解しやすい表現や構成による工夫
情緒に訴え、行動を誘発するデザインによる工夫
過大なコスト負担がなく、環境にも優しいものにする工夫
MUDの対象者となりうる人
MUDは情報を受け取るすべての人を対象としています。その中には、様々な配慮が必要な方がいて、情報の受け取り方や受け取りやすさはそれぞれ異なっています。
高齢者
加齢にともない視力の低下・狭窄が起こることで、小さい文字・淡い色などが見えにくくなります。また、外国語になじみのない人が多く、英語やカタカナ語を多用すると分かりにくい場合があります。
文字のサイズや字体、分かりやすい言葉選びに気を配る必要があります。
<例>
遠視・近視の場合には文字の太さが太すぎるとつぶれて見えますし、細すぎると白内障や弱視を持つ方にとっては線がとび見えにくくなります。
こういった問題が考慮された視認性の高いフォント(ユニバーサルデザインフォント)を採用することで、文章を読みやすくすることが可能です。
障がいのある方
身体的な障がいや発達障がいなど、その程度や事情は多岐にわたり、必要な表示内容や表示方法も異なります。
日常の中で見過ごされがちな障がいのひとつに色覚障がいがあります。この障がいを持つ人は日本国内に300万人以上いて、男性の約20人に1人、女性の約500人に1人が色覚障がい者といわれています。
<例>
一般色覚の見え方
色覚障がいのある方の見え方の一例
*画像はすべてソフトを使用して作成したイメージです。必ずしもこのように見えているわけではありません。
一般色覚の方には見分けやすい色の組み合わせが色覚障がいのある方には同系色に見えてしまい、同じように情報を受け取れない場合があります。
色の選び方を変えたり、グラフであれば文字情報も併記するなど、工夫次第で見えやすく・伝わりやすくすることができます。
外国出身の方
2020年6月末時点で日本国内に在住する外国出身の方の数は約288万人です。
外国から来られた方への対応は英語で、と考えてしまいがちですが、すべての人が英語の読み書きができるわけではありません。
そこで、近年では平易な言葉を用いる「やさしい日本語」の案内を作成する動きが広がっています。
<例>
高台へ避難してください→高(たか)いところへ逃(に)げてください
危険です→危(あぶ)ないです
どちらにいらっしゃいますか?→どこに居(い)ますか?/どこに行(い)きますか?
*印刷物や掲示においては、言葉だけでなくイラストやピクトグラムを使うこともポイントです。
子供
年齢によっては漢字や言い回しを理解できない場合があります。
上で紹介した「やさしい日本語」やイラストの利用は、外国人だけでなく低年齢の子供に情報を伝える上でも効果的です。
明朗社にはメディアユニバーサルデザインアドバイザー認定者が在籍しております。
各種印刷物やWEBサイト等において、その用途や特性に応じて、正しく公平に情報を伝えられるような色や文字・言葉の使い方をご提案いたします。
健常者だけでなく、配慮が必要な方にも見やすい・読みやすい製品の創出を通して、誰もが住みやすい社会の実現に貢献できるよう今後も取り組んでまいります。